ALC ビル 塗替え エレクトロレトロレトリック 本性 忍者ブログ
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エレクトロレトロレトリック
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Title : 本性
 演壇に向かって行列が出来ており、人々は其処に並び、私も俣た並んでいた。
 先を見てみれば、何やら禿立ちの女童が筆を振るい、にこにことしている。前に並ぶ背中に、何の行列なのですか、と声を掛けてみると、学生の時分の級友であった。随分と驚いたが、私はといえば逆に、理由も知らずに列に入るのかと驚かれる始末で、確かに道理の通らぬ話しだが、人間とは然ういうものだと思うのも確かだ。
 其れは兎も角何の行列なのだい、と再度尋ねてみると、彼れを見てみろとばかりに指図するので視線を遣ると、行列の用を終えた人々の溜まる一角に目が留まる。
人の流れを良く見ていると、紙の中身が覗けるようだった。フムフム、ハアハア、成る程、合点が行く。彼の紙に書き連ねられた言葉は、人間の目に見えぬ裡に潜む性について書かれているように思える。
 善行を施すが打算、身が滅ぶとも怠惰、類い稀なる才覚、中身は餓鬼の侭、商才に著しく欠ける、幾つか目を通しただけでも、相当に面白い。此れは随分と順番の巡って来るのが楽しみだと思っていると、然う此うしている内にもう順番が来た。
 目の前では嘗ての級友が女童と相対しており、私は無償に気が急いた。不安である。
 有難う御座います、大切に致します等々の会話で背中が退くと、其処には遠めに見たよりも更ににこにことした、能面の如き面相のつるりとした貌が座って居た。
 宜しくお願い致しますと言うと、小首を傾げて筆を取り、私の顔を凝々と見つめ、さらさらと筆を滑らせた。手馴れた手捌きで紙を四つに折ると、黙って其れを差し出してくる。有難うと言うと、復た小首を傾げた。通じているのか怪しいものだ。
 列から外れると、嘗ての級友が如何だったと問うて来たので、紙を開いてみた。
 何のことは無い文言とはいえ、人の底を見透かすというのは気持ちの良いものではない。
 級友は一言だけ、泥。
 私はと言えば、人の上前を刎ねる、と。
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