ALC ビル 塗替え エレクトロレトロレトリック 井戸 忍者ブログ
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Title : 井戸
 駐車場の真ん中に井戸が在る。
 泥凝土で塗り固めた上に漬物石大の石が乗り、其れを太い針金で何重にも固定してある様は恐ろしく怖ましく、曰くも有る。元来此処い等一帯の土地は戦前から然る大地主の所有で在り、現在の土地区画は其れが細切れの散り散りになって残らず人手に渡ったものであるのだが、何故其んな事に為ってしまったのか。
 事の起こりは今より二十五年前、地主の夢枕に女が立った。女の言う事には、昨今の下水道整備工事で土が掘り返された折、地下水脈に横道が出来てしまい、井戸が枯れて困っているのだという。地主が発として目を覚ますと、部屋の隅に黒々とした、大きな蛇がとぐろを巻いている。驚いた地主は咄嗟に床の間に飾られていた石を抱え、其の蛇を滅多打ちに叩きのめし、蛇は息も絶え絶えに庭へと逃げ、其の侭何処かに消えてしまった。
 然して次の日、滅多打ちで見つかったのは、果たして地主であった。山程の警邏が押し掛けて現場検証をした結果、如何やら地主は運悪く空き巣狙いに鉢合わせしてしまい、口封じのために殺されてしまったのだろうとの事であり、全身の骨と言う骨を念入りに砕かれ、柔らかくなった身体は庭へと引き摺られ、枯井戸の中に放り込まれていた。
 斯う成るともう何処の何方から見ても立派な蛇の祟りという訳であるが、其れより驚いたのは、井戸の位置である。図面で確認すると、奇異なことに嘗て地主の庭に井戸が在ったと思しき場所と、現在の駐車場とでは、大分其の位置が懸け離れている。
 此れは如何したことかと思い調べてみるに、善く善く目を凝らせば井戸と思われたものは井戸ではなく、土管を切り詰めて作られた紛い物である。無論土中に穴も開いてはいないのだが、然れでも祟りは現実に起こり、土管を退かそうとした建設作業員三名と、地上げを生業とする破落戸、紛い物の井戸を拵えた男は何れも立派に変死を遂げた。
 元の井戸も疾うの昔に埋められて終ったと言うのに、形ばかりの井戸が祟るとは此れ如何に。頭を捻るのも無理は無いが、善く善く見れば一目瞭然、実際に見て頂ければご理解頂けるであろう。怖ろしく怖ましい其の様を見れば、祟りは確かに在ると知れるのである。
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